雛人形に込められた想い

雛人形に込められた想い

SASAKIと雛人形

SASAKIにとって雛人形はとても思い入れのある製品です。木工クラフトメーカーとして長く作り続けてきた製品はたくさんのお客様に届けられSASAKIを代表するアイテムの一つとして愛されてきました。そんな雛人形に新しい製品が加わることの意味は私たちにとっても大きな挑戦です。伝統的な雛人形と日本の文化、現代のライフスタイルと親世代・祖父母世代の感性、雛人形を通して表現される人々の願い、これからの世の中と世界に向けたSASAKIとしてのメッセージ…。多くの問いに考えを巡らし、あるべき姿を模索した結果が新しい雛人形として誕生しました。懐かしくもあり、新しくもある人形の姿と木工クラフトひと筋にモノづくりを続けてきたSASAKIの技術の結晶は、これからも多くの方の願いを現す存在として愛されていくことを切に願っています。

日本の心を世界に

雛人形は桃の節句と言われ親しまれてきました。女児の健やかな暮らし、美しく育ってほしいという願い、両親や祖父母が願う我が子への幸せを形として表現したものが雛人形として飾られます。それは日本人らしいとても優しい感情だと思うと同時に、世界中の親が願う共通した願いではないか?というシンプルな答えにもたどり着きました。「グローバル」という言葉が一般的に聞かれるようになり、世界は近くなりました。しかし海外のマネをすることが必ずしも国際的ではないとも思います。生活様式やさまざまなものが変化しましたが、日本らしい心のこもった在り方は世界に通ずる文化です。SASAKIは日本で育ってきたモノづくりメーカーです。日本らしさは製品にも、気遣いにも、デザインにも当たり前のように現れてきます。日本を代表する木工クラフトメーカーとして、これから世界に届けていきたいという願いと共に雛人形を見つめ直してみました。

新しい雛人形「HINA」

新しく生まれた雛人形は懐かしさや伝統的なスタイルを感じさせると共に、モダンでもあり、どんなセンスの空間にでも飾る場所を選ばないフラットさを兼ね備えています。人形らしい柔らかな丸みを帯びたフォルムは、側面からはすっきりとした佇まいを見せ、華美ではないが華やかさを失わない装飾性を併せ持ち、木工クラフトの醍醐味である製造の工夫と仕上がりへのこだわりを詰め込んだ製品です。木という素材を扱い続けてきたSASAKが自信をもって送り出す雛人形、お子様やお孫さんへの贈り物だけでなく、知人や友人へのプレゼントとしても、これからもHINAが人々の優しい願いを運び、多くの方に愛されることを願い、ひとつひとつ丁寧に作り、皆さんの元へと送り届けていきます。

Product design
石橋 忠人 / Tadahito Ishibashi

1970年生まれ。KENWOODにてインハウスデザイナーとして8年の経験を積んだ後にビジネスコンサルティング会社に転職。大手電機/医療機器メーカーのデザインコンサルティング経験を経て2005年に独立。日本デザイン振興会グッドデザイン中小企業庁長官賞等受賞多数。経済産業省デザイナー海外派遣事業選抜デザイナー(2010/2011年)、法政大学デザイン工学部非常勤講師(2016年-)、グッドデザイン賞審査委員(2023年-)